●循環型経済活動の推進-アカエゾマツ新規需要の創出-

 北海道に自生する針葉樹(アカエゾマツ)についての研究を推進し、その有用性を普及啓発するとともに社会実装へ導きます。アカエゾマツはマツ科トウヒ属に分類される北海道独自の樹木で、北海道の東で多く見られます。木材としてはあまり盛んに利用されませんが、湿地や火山灰層、蛇紋岩層など他の樹木が苦手とする土壌環境でも育つことができます。そのため、森林の生物多様性や防霧保安林、防風保安林として大いに役立っており、北海道になくてはならない樹木です。
 当法人は、アカエゾマツ枝葉を原料にsPG_01などの医学に活用できる有用成分を抽出、生産しています。なお、枝葉は幹の下方に生え、光合成効率の低いものを優先的に採取しています。意外に思うかもしれませんが、幹の下方に生えた枝を伐り落とす作業は、樹木の成長を促すことにつながります。余分な枝を伐ってあげたことで、これまで樹木が枝の維持のため使用してきた養分は幹に残ります。枝に養分を送らなくてよくなった分、樹木の幹が大きく太く成長するのです。林業に携わる方々は下枝を伐り落とす作業を「枝打ち」と呼び、樹木の価値を高めるために積極的に行います。さらに、樹木の枝葉はこれまで経済価値のないものと考えられてきました。そのため、森林内に大量に放置されることが多く、森林整備の妨げになっていたという事実もあります。樹木の枝葉を採取し有効活用することは、我々だけでなく樹木にとっても、また森林整備の面においてもプラスの効果をもたらします。
 近年、循環型社会という言葉が広く浸透しています。再生産可能な資源を有効利用した持続可能な発展への挑戦です。我々の活動は、十分に再生産可能な枝葉の有効活用方法について研究、実践するものであり、循環型社会、及び、持続可能な発展を念頭に置いています。同時に、今まで価値がない考えられきた樹木の枝葉に経済的な付加価値を持たせる活動でもあります。さらに、樹木の生育促進や森林内状況の改善を通じ、林業業界のさらなる活性化も目標にしています。循環型社会に根差した経済活動であるため「循環型経済活動」と名付けました。再生産可能なアカエゾマツの枝葉の有効活用方法を研究、実践する作業が、二重、三重にも社会に好影響を与えられると信じています。
 現在、酪農学園大学木育プロジェクトチームがアカエゾマツの抽出成分に、病気を引き起こす細菌等の抑制に有効なことを発見しました。当法人は「循環型経済活動」の趣旨から、この研究に対しても協力しており、さらには研究成果をヒトや動物医療へ応用することを計画しています。

 樹木を育てる過程で得られる有効資源を捨てることなく利活用し、経済を通じて社会及び森林へ還元することを目的にしています。